令和5年度第3学期始業式講話より
令和5年度第3学期始業式講話
皆さんおはようございます。(定時制課程向け:こんばんは)新たな年を迎えることができました。生徒の皆さんにおいては、大きな事故の報告もありませんでした。各々が家族や親戚、友人らと楽しく年越しを過ごされたことと思います。
元日には北陸(石川県を中心に)で大地震が起きましたが、未だ行方不明者が多数いらっしゃいます。亡くなられた方も三桁を超え、令和始まって以来の大震災となりました。また、連続して航空機事故も発生しました。自然の猛威の中で人間はちっぽけなものと思いましたし、命を大切に生きていきたいと感じました。お悔みを申し上げるとともに、亡くなられた方々の御冥福をお祈りしたいと思います。皆さんも心の中で祈ってください。また、いつ何時この関東地方にも自然災害が起きるかわからないという危機感を常に持ち、日ごろの学校生活を真面目に行いながら、過ごしていっていただきたいと願っています。
さて私は、年末にある本屋に立ち寄り、ベストセラーのコーナーから『リセットの習慣』という本に出合いました。皆さんは「自律神経」というワードはご存じだと思いますが、自律神経をくくって考えるには「交感神経」と「副交感神経」があることをまず覚えてください。「交感神経」とは、自分で、自分の意志で動かすことのできるもの(手・足・口)です。反して「副交感神経」とは、自分の意志では動かすことのできないもの(血管や内臓)などです。
簡単に言えば「交感神経」は車のアクセルペダルのようなものであり、運動をしたり、緊張したりするときに高まるように出来上がっています。一方、「副交感神経」は車のブレーキのようなもので、リラックスしているときに優位に働くものです。
皆さんの生活の中で、朝起きてから一日を始めるため活発になる、「活動モード」と就寝に近づき、体を休めリラックスに向かうため活発になる、「休息モード」の両者の割合などが狂い、体調が悪く、精神が安定しないことはありませんか?起床時間になっても起きない、就寝時間になっても寝付けない。夜にスマホやゲームに没頭しすぎたり、昼夜逆転していたり、起床し、「交感神経」が稼働できずにいる。また、夜中に体を休めるべき時間に活動をしていることが多くなると、当然「副交感神経」が優位に働きません。そのように人間の体は出来上がっているのです。最高の力を最適な場所や時間帯に発揮できるのは、まさにこの2つの神経が、体内で上手く働いているからなのかと思います。
人の身体は、流れに乗ることは得意であり悪循環に遭遇するようにできているのです。
一方で、流れを変えるのはとてもは苦手なのです。
〇アフターコロナで変えたい流れとは(実践をもとに)
体調がすぐれない、なんとなく元気がない、学校に行きたくない、友達と交わることも特に楽しくない、勉強や部活動に身が入らない。 → 悪循環=欠席過多、不登校
・戻そうという気持ちから、新たに始めること(強めに自分にリセットをかけること)
なんとなく続けていることから、思い切って変えてみることが大切なのです。
(例)本書を参考にし、自分なりに行っているリセットは以下の通りです。
・新しい朝の習慣をつくる。(交感神経を向上させ活動的に)
散歩、湯沸かし、朝食の用意、着替え順をつくる
・プラスワンを試す。(自分から相手にアプローチ)
いろいろな方々への声掛け(店員さん、運転手さん)、感謝の意
・一日の流れをイメージする。(就寝前なら次の日の行動を考えて)
電気を消す前に(主にウオーキングの経路、会議、発言、原稿)
・ゴールではなくスタートを目指して生きる。(進路決定、合格、その後4年間)
退職後に向けたイメージづくり、思い切った断捨離
なんとなく自律神経について把握できる本書を、機会あったら流し読みしてみるのも良いのではないでしょうか?人間とはホントにちっぽけな存在でありますが、精神的にもろく、自分でよい流れを遮断している人がほとんどです。リセットしながら、神経の流れを良い方向に向けてください。
本書はリセットの方法について項目をたてて多く紹介しています。
残り少なくなった令和5年度を有意義に過ごすために。自己の進路を切り開いていくために。
今、小項目の変化をつけながら生活してみることはいかがでしょうか。
以上で始業の講話(挨拶)を終わりとします。
※(参考文献) 小林 弘幸 氏 『リセットの習慣』(日経ビジネス文庫)