2019年6月の記事一覧
ちょこっと授業参観⑤
実習生の研究授業を参観していたら、隣の教室で楽しそうに授業をしていたので、そちらも参観することにしました。嫌がらずに教室に入れてくれた生徒と先生に感謝です。古典の授業でした。私の高校時代の古典といえば動詞や助動詞の活用を毎時間のように覚え設問に答えていた(実際はそれだけではなかったはずですが)記憶しかありません。それは楽しいという雰囲気ではありませんでした。見せていただいた場面は、動詞の活用を生徒が黒板に書いているところでした。なぜか生徒は楽しそう。やっていることは昔の私と同じなのに、こんな雰囲気なら私も早く理解できそうな気がしました。
実習生の授業は保健でしたが、保健体育科の先生だけでなく、国語、英語、理科、商業の先生も参観していました。ちょこっと授業参観週間は本日で終了となりましたが、他教科の授業をヒントに、それぞれの授業改善が進み、生徒の理解と知識がより確実に定着することを楽しみにしています。
ちょこっと授業参観④
本校を卒業し、教員を目指している大学生が6月に5人、9月にも5人が実習を行います。今日も教育実習生の研究授業が続きます。
保健行政という高校生にはあまりなじみのない分野の授業。教育実習生には少しハードルが高いのではと思いましたが、それは杞憂でした。よく挙手していた中学生が高校生になるとあまり挙手しなくなる話を聞きますが、本校生徒はどんな問いかけにも必ず数名が挙手します。発問には周囲の人と相談してよいなどと、安心して自分の意見を言える仕組み作りをしているのも要因です。授業では間違ってもよいのだという安心感や先生、友人への信頼感があるのでしょう。この実習生の素晴らしいところです。授業後、実習生には「生徒にとっては関心がない単元でも、いかに興味を持たせ、自分ごととして考えさせることができるか、そこが教員としての力量です。50分のうち、生徒の脳が活性化していたのは何分間なのか、よく考えてほしい。家に帰ってノートを見返したときに授業を再現できるノートなのか、それも考えて教員になる準備をしてほしい」と話をしました。
マット運動を指導する実習生。本校体育授業のルーティン(体操や補強、ボイスランニング)をしっかりこなし、前転、開脚前転、後転、開脚後転のウォーミングアップへ。そして本時の展開である倒立前転の練習に入りました。優しく元気な声をかけ続ける先生の姿が印象的でした。同じ時間帯にもう一人の実習生が研究授業をしていたので、残念ながら、ここで退室。授業終了後、倒立前転がきちんとできる技術的なポイントを聞いたところちゃんと答えてくれました。それを生徒は頭でわかっていても自分の体がどうなっているのかはわからない、今は映像を撮ってすぐ見ることができる時代なので、使ってみたらと話しました。
同じ時間のもう一人の実習生、日本史の授業です。参照する資料は、資料集の何ページに掲載されているのかを把握しており、下調べのノートに目を落とすことなく生徒の方を向いたまま指示できていました。よく勉強しているなぁという印象を受けました。しかし、説明の時間があまりに長い。ほとんど一人でしゃべっていました。生徒は板書をノートに写し取るだけ。本人が後で校長室に来て、このことを反省していました。「生徒に興味関心を持たせたり、どうしてこうなるのだろう?と疑問を抱かせ、自分から学習に向かっていく力を育てて欲しい。このことが大切で、それを教えられる先生になってほしい」と話をしました。
ちょこっと授業参観③
20人ほどの先生が見守る中、地歴公民科教育実習生の研究授業が始まりました。説明に終始する実習生が多い中、グループワークを中心にした授業を展開します。「模擬選挙」をして、政治に参加することの意義について考えてもらおうという狙いです。「ごはん選挙をしよう」という題材でした。本校で伝統的に行われている「競技会」が終わった後、みんなで食べにいくお店はどこがいい?という場面を設定しました。生徒を指名したところ3つの店の名前があがり、まず、自分がどこの店に行きたいかでグループ分けをしました。これが政党の代わりです。6人、10人ちょっと、20人以上の3つにグループに分かれることになり、それぞれのグループでそれぞれのお店の良いところ(政党の方針)を「演説」し、最後に投票する流れです。グループ(店)毎に作戦会議をしてよいところはどこか、アピールできるところはどこかなどを話し合いました。自然とリーダー(党首)が生まれるのですね。党首の演説も見事でした。生徒からの質問もあり、各自投票する政党(店)を判断できたのではないでしょうか。そしていよいよ投票。6人グループのところも11人に増えるなど、最初のグループ分け人数とは違う投票結果となりました。
何に注意して演説を聞いたのか、演説後にグループ人数が変化したのはなぜか、投票する時に意識したことは何か、18歳になって選挙に行くときに考えることや意識することは何かなどの振り返りを行い、授業を終えました。
担当する指導教諭は、教員や生徒の発言がグループやクラスをどのように変化させていたのか記録を取っていました。実習生への指導はもちろんですが、自身の授業改善のヒントもつかもうという姿勢がうかがえます。教育実習生が生徒の知的好奇心をくすぐり、何事にも意欲的に主体的に取り組ませることができる教員になってくれることを願っています。実習生の研究授業に他教科の先生も含め20人以上が集まる本校の先生方は、卒業生の成長を願うと同時に、自身の課題改善のヒントを探している先生方です。
ちょこっと授業参観②
〇短焦点プロジェクターで映像を黒板に投影して始まった英語の授業。はじめに新出単語の音読です。映像は英単語→英単語を表すイラスト→例文のような順番で表示されます。まるでフラッシュカードを見ているようでした。
〇教育実習生が行った物理基礎の授業。本校を卒業し教員を目指す大学生の授業です。普段の教室とは違い、何か独特の緊張感がありました。実習生は非常に穏やかな先生です。運動の法則について一生懸命に説明しています。言葉ではわかりにくいので黒板には「絵」がたくさん描かれています。「絵心はなくてもいい、誰が何をしているのか、その内容がわかるように描いてほしい」と生徒にもプリントに絵を描くよう指示しています。生徒は力の向きや作用点がわかるように図示していました。教えるだけではなく、推論させられる先生になってほしいなぁと思いつつ教室を出ました。
〇教室へ向かう途中、廊下にある机の上に「新聞スクラップ」の冊子を見つけました。新聞を切り抜き、その記事についての考えを生徒がリレー形式で書いているようです。大学等の入試を控える3年生には貴重な情報源となることでしょう。書かれているコメントも参考にしながら考え方を広め、同時に自分軸も持ってほしいと思います。
ちょこっと授業参観①
今週は「ちょこっと授業見学」週間です。教材研究で忙しいけど他の先生の授業も参考にできるようにと、今年度から始めました。文字通り、教室へは出入り自由のちょこっと参観です。先生方と廊下で行き会いながら参観したなかで、今日は以下のような授業がありました。
(1)パワーポイントの資料を短焦点プロジェクターで黒板に投影し、アニメーションを動かしながら説明を加える「世界史」の授業。大変わかりやすい授業でした。
(2)山月記をどのように読み解くかについてグループ学習を中心とした現代文の授業。先生が板書する課題に対して、4人程度のグループで意見を交換しながら気が付いたことを生徒が黒板に書き、生徒が説明していきます。スタート時点では会話もあまり聞こえない教室でしたが、次第にあちこちで活発な意見交換が始まりました。
(3)歴史的事実の説明が進んでいくなかで、ギリシャの民主政がテーマになった時、「多数決は絶対か?」「少数意見はどう扱うのか」と問いかける先生。「ディベートやってみようか」と言った途端凍りついた生徒たち。しかし、「・・・な理由で3人の子供を殺害し3年の懲役となった判決があった」これをどう思うか、賛成派と反対派に分かれて「ディベート」が始まりました。なかなか話ができないのかと思っていたら、賛成派、反対派が活発に互いの考えを説明しています。少し時間がたった後、何人かがディベートの内容を発表し、授業は「裁判員裁判」に展開していきました。最後に「ギリシャの民主政に貢献した出来事を2つあげなさい」の問いかけに、生徒は授業を振り返りながら記録していました。
追記
古典では「源氏物語新聞」を発行する授業もありました。授業で学習したことを各自が新聞形式にまとめます。見出しを書き、色鉛筆やサインペンを使って、見やすく、色彩豊かにまとめてあり、楽しい中にも覚えるべき知識がぎっしり詰まっています。担当の先生から資料を借りて拝見しましたが、なかなか素晴らしい学習成果でした。